嚥下障害について

嚥下リハビリ外来

嚥下(えんげ)機能とはものを飲み込む力のことです。人は、ものを飲み込む際に唇を閉じて舌を上顎に強く押し付けているため、加齢とともに唇と舌の力が弱くなるに従い当然ながら嚥下機能も弱くなってしまいます。すると食事中にむせたり、飲みにくかったり、食べこぼしたりしてしまうようになります。日本では年間およそ8,000人(ほとんどが65歳以上の高齢者)の人が食べ物により窒息死しているといわれ、その原因には嚥下機能の低下があるのではないかと考えられています。

むせない訓練

では、嚥下機能を強化し、食物をスムーズに飲み込むためにはどのようにしたらよいのでしょうか。そのためには、「むせないための訓練」が必要になります。衰えた筋肉を動かし、鍛えることで嚥下機能が回復することがわかっています。

リハビリを効果的に行うための器具が、「エントレ」です。「エントレ」は、本格的な口腔介護予防器具です。いつまでもおいしく口から食べる幸せのための「飲み込むトレーニング」用として使用されています。

エントレについて詳しくお知りになりたい場合は、どうぞお気軽に当院までお尋ね下さい。 

口腔機能訓練器具の効果検証

目的

本研究では、摂食嚥下訓練器具(エントレ)のトレーニング効果を検証するために高齢者及び要介護高齢者の舌圧と口輪筋の計測を行った。

方法

年齢を65歳~69歳、70歳~74歳、75歳以上、介護度3以下、介護度4,5のグループに分けトレーニングを行っていない対象者に対し舌筋計を用いて舌圧と口輪筋を測定した結果と、舌圧と口輪筋の筋力の低い対象者に対しエントレによる口腔機能訓練を行い、舌圧と口輪筋を計測した結果を比較検討した。

結果

高齢者の舌圧と口輪筋は年齢とともに低下し、舌圧と口輪筋の低かった対象者はむせる、口が乾く、声がかすれる、飲み込みづらい、唾液があまり出ないなどの症状があることがわかった。
要介護高齢者では、筋力は介護度が増すごとに低下し、口呼吸、口腔乾燥、嚥下障害、発音障害、舌苔、熱発、歯肉炎などの症状があることが解った。介護度4,5のグループはすべての対象者に多くの重篤な症状が認められた。
そこで、自覚症状のある高齢者に対し、エントレによる口腔機能訓練を行った結果、ほとんどの対象者は筋力が上がり症状も改善された。
要介護高齢者においても著しい筋力の向上がみられ

  • 誤嚥しなくなった
  • 流涎しなくなった
  • 声を発することが多くなった
  • 口調がはっきりした
  • むせが少なくなった
  • 食べる量が増えた
  • 応答がはっきりしてきた
  • 口を閉じるようになった
  • 口腔内が清潔になり舌苔が少なくなった
  • 記憶力がよくなった
  • 義歯を作りたいと言い出した
  • 径管栄養だったが口腔摂取するようになった
  • 排泄を教えるようになった

など改善がみられた。

考察

嚥下反射を応用したエントレを使用することにより舌圧、口輪筋の筋力アップを始め、摂食嚥下機能が改善され、消化吸収、排泄に至る一連の流れがよくなることが解明した。また口もしっかり閉じるようになり、呼吸も鼻呼吸に改善された。

この効果はエントレが筋力トレーニングの器具というだけでなく、嚥下反射を起こさせることにより脳を刺激し、嚥下反射を起こさせ、消化吸収、排泄に至るまでの一連の動作の指令をしている可能性が示唆された。
とくに片麻痺のある対象者が発音、嚥下機能や流涎の著しい改善がみられたのは驚嘆に値する。

現在、演者らはエントレを用いて高齢者の介護予防のための機能訓練や要介護高齢者に対して歯科治療の前準備として口腔機能訓練を行っている。機能訓練により摂食嚥下機能を回復させ、食事ができるようにすることはもちろん、歯科治療において流水の誤嚥を予防できるため治療が安全に行える、また義歯の吸着安定もよくなり治療後の経過も良好である。

最後に多くの要介護施設や在宅に置いてエントレを用いた訓練を実施することにより多くの要介護高齢者の機能改善が認められ、明るい高齢社会の到来が実現することを期待する。

エントレを使用したエントレ体操

・正しい姿勢で行うと効果が倍増します
・エントレ体操は朝昼晩食事前にすると効果的
・日に3回が理想 時間が無ければテレビを見ながら、お風呂に入りながら
・いつでもトレーニングできます、くわえているだけでも効果があります
・鼻呼吸しながらの効果的なトレーニングです

正しい呼吸練習

鼻力をつける、鼻呼吸力トレーニング

ゆっくりと鼻で深呼吸 しっかり胸腹式呼吸します。鼻で吸って鼻で吐いてドライマウスとドライノーズを予防します。自律神経を整えます。イスにもたれかからない様にして座ります。

舌を持ち上げる訓練5回

舌をしっかりリンガル部に押し付け、舌を持ち上げます(顎の下の筋肉緊張を確認する)

顎の下を押さえて口を開く練習5回

開口力と嚥下力の強化

嚥下訓練30秒

唾液腺をマッサージしながら飲み込む練習

刺激唾液で口腔内と咽頭を潤しましょう

筋力アップトレーニング

呼吸と嚥下に必要な筋肉を負荷をかけ鍛えます

真っ直ぐ引っ張る5回

エントレを外して頬笑みます

口角を上げ鼻の穴を膨らましましょう

そしてもう一度深呼吸

最後に立って見て姿勢が良く成ったか確認します

飯塚歯科医院 Tel.0495-24-6166
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